ダイビングのプロとしての最初の一歩がダイブマスターです。
では、ダイブマスターのメリットとは何でしょうか?
ここでは、ダイブマスターになるメリットについて考えてみたいと思います。
まず、ダイブマスターの資格で働く場合で考えてみます。
海外と異なり日本の場合、全国的にみると、ダイブマスターとしての求人は少なく、やはりインストラクターの求人の方が多いです。
また、ダイブマスターとして就職しても、ゆくゆくはインストラクターになることを求められたりします。
では、ダイブマスターの資格のままで働き続けることは出来ないのでしょうか?
これは、地域やショップの考え方などにもよりますが、沖縄であればダイブマスターの資格だけで働き続けることも可能です。
沖縄の場合、ゲストの人数が多かったりするので、ガイドするインストラクターのアシスタントとして潜るとか、ファンダイビングのガイドとして潜るという需要があるからです。
また、PADIディスカバー・スクーバ・ダイビング・リーダーの資格を取得していれば、ダイブマスターの資格でも限定水域で体験ダイビングを実施することが出来ますので、そうしたゲストの多い沖縄ではそれなりに需要があるのです。
ただ、インストラクターに比べて給料がわずかに安くなっていたりして、やはり働く上では、ゆくゆくはインストラクターになることが多くなってきます。
次に、ダイブマスターとして働くことをメインにしない場合を考えてみます。
ダイブマスターは、プロとしてのランクですが、ダイブマスターの資格を持っていることと、ダイビングを仕事にすることはイコールで考えなくても良いと思います。
つまり、ダイブマスターは、アマチュアの延長でプロ資格を取得するのに向いているランクともいえるのです。
アマチュアの最高ランクには、マスタースクーバダイバー(MSD)というランクがありますが、「安全管理」「習得スキル」においては、プロのダイブマスターとは大きく異なってきます。
単純にダイバー単体でのスキルですと、マスタースクーバダイバーも優秀です。
しかし、ダイブマスターは、ゲストではなくキャストとしての高いレベルが求められており、自ずと意識も違ってきますので、この2つのランクには大きな差があるのです。
例えば、ダイブマスターは、ゲストの前で基本的なスキルのデモンストレーションをしなくてはならないことがありますので、オープンウォーターダイバー取得の際に学んだ基本スキルをデモンストレーションレベルで実施出来ることが求められます。
具体的に、マスク脱着のスキルで考えてみますと、アマチュアであればマスクを外して間違えないように装着できれば合格です。
しかし、ダイブマスターの場合、それは出来て当然なので、単純にそれだけでは5点満点中で3点となります。
ゆっくりと見やすくデモンストレーション出来れば4点。
間違えやすい点などを誇張動作で分かりやすく表現しながらデモンストレーション出来れば5点。(例えば、マスクの中にキチンと鼻を入れてくださいということを、指で鼻を触るなどで表現してデモンストレーションを見せるとか)
このように、「単純にスキルが出来れば良い」というアマチュアと違って、「相手に分かりやすく、正確に内容を伝える」ということがプロには求められるわけです。
また、ゲストの安全を優先して、エントリー場所では危険な場所側に自分が立って、ゲストを安全な場所側に立たせるとか、「自分がどの場所にいたらゲストが安全か」ということを常に考えながら行動するようになりますので、「安全管理の意識」がアマチュアとは異なるのです。
更に、ダイブマスター講習でなければやらない特殊なスキル(アマチュアのコースには無い)も練習するので、様々なトラブルに対処できるスキルが身につきます。
こうした特殊なスキルの習得や、基本スキルのブラッシュアップや、安全管理の意識などにより、ダイブマスターにはダイビングに対しての自信がついてきますので、キャストとして働く目的がなくても、十分に魅力あるランクなのです。
ダイブマスターとして働く場合には、保険に入ることが必須となりますが、ダイブマスターを仕事としないのであれば保険に入る必要がありませんので、年間の出費も少なくて済みます。
ダイビングを趣味として続けている場合、人によりその理由は様々です。
例えば、海の中がとにかく好き、魚が好き、地形が面白い、仲間がいる、新しい友達が出来る、自分にできることが増えていくのが楽しい、などです。
また、ダイビングを続けていると、「あのプロのダイバーみたいなことが自分にも出来たらいいな」と思うこともあります。
そんなとき、ダイブマスターの資格取得は新しい世界への入口になることと思います。
さらに、プロのランクということで、履歴書などにも書けるというメリットもあるかもしれません。
このように、ダイブマスターの取得は、ダイビングを仕事にしない場合であっても、メリットがありますので、興味のある人は是非チャレンジしてみてください。
ちなみに、これを書いている私の場合、「なんでもそこそこで止めてしまう自分に、何か一つ、ここまでやったというものが欲しい」という気持ちからダイブマスターを取得しました。結果、今では上級ランクのインストラクターにまでなっているのですが、実はメインの仕事ではありません。別の仕事をやりながら、たまにスタッフの手が足りない時や、プロの講習などの際に海に出ます。このくらいの関わりが今の自分には心地よく、人生を楽しむ一つの要素になっています。
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