レスキューダイバーの条件

RED　conditions

ここでは、レスキューダイバーの条件について書いてみたいと思います。

ここで書くのは講習に参加するための条件ではありません。

講習の参加前条件について知りたい場合には、レスキューダイバー講習のページに書いてあるので、参照してみてください。

ここではそのようなレスキューダイバー講習に参加するための前提条件ではなくて、「レスキューダイバーとしての心がけ」のようなものを書かせていただきます。

レスキューダイバーとは、安全に楽しくダイビングをするために、緊急性の高いケアが必要な場合の対処方法を身につけていたり、危険から自分の身を守るための知識やスキルを身につけているダイバーです。

オープンウォーターやアドバンスを取得した際に、エア切れへの対処方法、疲労ダイバーの曳航、レギュレーターのフリーフロー（エアが出っぱなしになる）など、ダイビングをする上で想定される様々なトラブルへの対処方法を学んだかと思います。

これらは、安全に楽しくダイビングを行うために必要なスキルです。

そして、そうしたスキルを身につけた者としてオープンウォーターやアドバンスのダイバー認定を受けたわけです。

レスキューダイバーは、こうしたスキルに加えて、パニックになっているダイバーや意識を失っているダイバーなどへのアプローチ方法を学んだり、出血を止めるとかの緊急性の高いケアや、感染症などへの対策を学んだりします。

オープンウォーター講習を思い出してみてください。

マスクに水が入ってきた場合の対処方法を学んだかと思います。

こうした時のマスククリア(マスク内の水を出す)の方法は、通常のファンダイビングの際にも使うことがあるかもしれません。

オープンウォーター講習では他にも、レギュレーターが口から外れてしまった場合のリカバリー方法や、レギュレーターがフリーフローした場合の対処方法なども学んだと思いますが、こうしたスキルは、通常のファンダイビングではほとんど使うことがなく、人によっては一生使わずにダイビングを楽しみ続ける人もいるかもしれません。

それでも、「万一発生してしまった場合」のトラブルへの対処方法を知っていて、実際に練習したことがある人と、全く知識がなく練習したこともない人とでは、安全に楽しくダイビングを行う上で大きな差が出てきます。

Cカードを持っていなくても、見よう見まねでダイビングをすることは出来るかもしれませんし、ダイビングにはライセンスがあるわけではなくて、認定団体が認定したというCカードがあるだけですので、Cカードを持っていなくても、シリンダー（タンク）を含めたダイビング器材をを全て自前で揃えて勝手にダイビングしたからといって、お咎めなどはありません。

しかし、セルフダイビングするためにシリンダー（タンク）を借りようとした場合、Cカードを提示しないとお店はシリンダー（タンク）を貸してくれなかったりしますし、ショップのファンダイビングに申し込みをしたくてもCカードを取得していないと申し込みができません。

それはなぜかといえば、「危険」だからです。

Cカードは、知識を身につけ、練習をし、実際に出来るようになった証であるので、「〇〇ダイバーはこういうことが出来るダイバーである」という証明となります。

つまり、Cカードを持っているということは、「認めてもらえている者」なのです。

レスキューダイバーは、オープンウォーターやアドバンスに比べて、より多くのダイビングスキルの知識を持ち経験をしているダイバーであると認められているダイバーです。

全てのダイバーにいえることではありますが、レスキューダイバーは「より冷静に対処できること」が求められますので、慌てず自分がやるべきことが出来るように意識しておいてください。

レスキューダイバーの条件などと大きな内容で書かせていただきましたが、「冷静さ」が大切かと思いますので、レスキューダイバーになったら、それまでのランクに比べて「より冷静に対処できること」を意識していただければと思います。

そしてその「冷静さ」は、練習することにより身につけることができます。

「何をどうしたらよいか分からない」というダイバーに比べて、「やったことのあることを練習通りにやるだけ」というダイバーの方が、冷静でいられる確率は高まります。

レスキューダイバー講習を受ける前の人はその「冷静さ」を身につけるために講習を受け、すでにレスキューダイバーの人は、必要に応じてテキストを見直してみたり、練習ダイビングを申し込んでスキルのブラッシュアップをしてみたりしてください。